13世紀の高麗(コリョ)。文臣の横行に対抗し、クーデターを起こした武臣が政権を握るようになって40余年。国のトップに立ち、国政をつかさどっていたチェ・ウは、1人の青年の存在に目をつける。奴隷出身でありながら、類まれな才覚と武術の腕前を兼ね備えた若者の名は、キム・ジュン。彼は、ツワモノ揃いのチェ・ウの側近たちのなかで、めきめきと頭角を現すようになる。その頃、高麗は破竹の勢いを増すモンゴル帝国の侵略に頭を悩ませていた。幾度となく、モンゴルの大軍による侵攻にさらされた高麗は、干ばつによる凶作と、武臣政権に反発する民乱も重なり次第に疲弊していく。しかし、あくまでも対モンゴルを訴えるチェ・ウとキム・ジュンは、都を開京(ケギョン)から江華島(カンファド)へと移し徹底抗戦の姿勢を貫くのであった。チェ・ウが亡くなると、息子のチェ・ハンが後を継ぐが、酒と女におぼれ、国政はさらに混乱。チェ・ハンの後見人を務めていたキム・ジュンだったが、高麗を守るため、自らが政権を握ることを決意し、クーデターを起こす。こうして、奴隷だった男が政権の頂点へと上り詰めたが、時代の流れは大きく変わり、打倒キム・ジュンの動きが見え始める。